認定NPO法人
[旧称:認定NPO法人行徳野鳥観察舎友の会]
Gyotoku Nature Conservation Club NPO
a.k.a. "hogoclub"
[ex:The Friends of the Gyōtoku
Wild Bird Observatory NPO]
行徳鳥獣保護区の管理
“市川野鳥の楽園”の『千葉県行徳鳥獣保護区』は、水辺の自然保護のため保全・造成されたエリアです。当会はかつて開発で失われた湿地再生のため、管理や環境改善に携わっています。
行徳鳥獣保護区とは
東京の葛西から千葉の西船橋に至る一帯は、1960年代まで、干潟、アシ原、蓮田や水田などが広がる湿地でした。なかでも行徳・浦安エリアは、宮内庁の『新浜鴨場』があることから“新浜(しんはま)”と呼ばれ、水鳥が多いことで世界的に有名でした。
その後、地域開発により一帯は埋め立てられてしまいましたが、湿地環境の復元を目指して、保全・造成されたのが『行徳鳥獣保護区』です。保護区と『新浜鴨場』を合わせた『行徳近郊緑地特別保全地区』は約83ha。このなかでは水鳥をはじめ生き物や自然環境の保護が優先され、ひとの利用は必要最小限にとどめられています。
ふだんは保護区の中に入ることはできません。定期的に保護区内の自然観察会を開催しておりますので、その機会をご利用ください。
保護区の水源の確保
水鳥の保護に欠かせないのが水。海水だけでなく、淡水の池や湿地が必要です。そこで、人工池や棚田などを造成し、雨水や生活排水を水源とする淡水を引き込んでいます。
生活排水は汚れていますが、そのほとんどは有機物で、微生物にとっては栄養源となります。酸素さえあれば、水中の食物連鎖により、汚れは消化されていき、水鳥たちのエサとなる小魚や虫などの生き物が育つのです。そこで当会では、浅い池にポンプアップした生活排水を日光や空気にあて微生物や小動物・植物による浄化を進めながら、水鳥誘致のための湿地環境作りを行っています。
ポンプアップした水は池や棚田を通り水路で海へと流れ込みます。淡水~汽水~海水と連続した環境ができたことにより、魚やエビ・カニなど多様な生物も生息するようになりました。
保護区の管理作業
水鳥をはじめ生き物が棲みよい保護区とするためには、ひとによる管理作業が必要です。たとえば、人工池には、アシやガマなどの植物が全体を覆うほど生育します。しかし、そのような池は、水鳥の利用に適していません。そこで、開けた水面を確保するため、定期的に草刈りを行なっています。
このほかにも、田植えや観察路の保全など、さまざまな作業を行なっています。管理作業の一部は、ボランティアとしてどなたでもご体験いただけます。